弱みは強み

2017/12/16

 私が小学校低学年のときに、母が私の担任の先生に『息子が学校の帰り道にいじめられて困っている』と相談をしたようです。

その後にその担任の先生が私に

『○○君。あまりお母さんに心配をかけるなよ!』という一言で終わりました。

なぜか、私は覚えているんです。なかなか変な子だったのでしょう。

 

 私は小さいときから言語障害の傾向がありました。国語の教科書を読むときにつまりながら読むと周りがどうしたの?とざわつく。その雰囲気でよけいに焦ってしまって、赤面症が出てきて、そこで途絶えて読めなくなる。それがトラウマのようになって、自分で言語障害だと思いこむようになりました。

父が、毎年春に学校に出す家庭調査票に、この子は言葉がつまる癖がありますと書くのですが、それについて担任の先生から聞かれたことも一度もありません。

 それが普通で何の疑問も持っていなかった私が、長野県で学級経営というものに触れたことは衝撃でした。

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 例えば長野県は学級替えをせず、3年間同じクラスで過ごすのが普通です。そのなかで2年目や3年目になって、いじめやクラスの人間関係で問題等が起こると、担任がどんな学級経営をしてきたのかがまず見直されます。

 個々の子が位置づいて安心をして学習ができる集団つくり。個々の子が授業のなかで響き合って力をのばすことができる集団つくり。お互いに認め励まし注意しあえる集団つくり。そんな学級経営です。

 

 そのなかで最も重要だと思われるのは、子の見とり というものでした。それぞれどんな傾向があるのか。性格や価値観。それぞれの事に対するやる気。この子の行動にはこういう傾向があって、その行動の背景はこういうことではないだろうか‥等々。

 こういう事は、学年会や職員会で、毎回のように情報交換をしたり話し合われることでした。生徒を見とることにより、そこから導きだされる教育の手だてを一つでも多く実践していこうというものでした。

 私はこの面についてだけは、最初から他の先生に批判された経験がありませんでした。なるほど‥という雰囲気で受け入れてもらえました。

 

それは、上記のような小さいときからの自分の体験があったからだと思います。

小さいときから弱かったので感受性がするどくなりました。まわりから馬鹿にされることもあったので人をよく見るようになりました。ストレスをかけられる声かけがあったので、その人がなぜそういうことを言うのかを様々解釈しようとする機会が多くありました。   

弱みは、時を経て強みになりました。

 

あのときにあの子は、あんな表情をした。なぜだろう?もしかしたらこんな思いがあったのではないだろうか。それを心に留めておき、またその子と向き合うの繰り返しをします。

 

例えば写生大会のときに誰と誰が一緒にグループで描いているのか等は、目でわかりやすいのですが、本当はそれほど役に立ちません。

何かを書かせても、その場かぎりではなく継続して書かせるなかでその子の特性を探ることでないと、なかなか一つの文章だけを信じると間違えます。

しかし、その日はじめて会ったときにどんな様子か、どんな目の動きをするかを見れば、およそその子が過ごした今朝までの気持ち、調子等々はわかります。

様々な事に取り組むときの、

目の動き。声の調子。外の変化に対して表情がどう変わったか。

これは、なかなか正直で、隠せないことです。

 

気をつけなくてはならないことは、あまり読みとれてしまうと、こちらの感情がそれに影響されてしまって行動がぶれる危険性がある点です。

そうなると子に大人が振り回されることになりかねません。

読みとってもその場では知らないふりをすることが求められます。

フランスの児童書に、子が親を怒らせようとしかけてくることがある、そういう場合無視をせよと書かれているそうです。相手にしない。時間を置き、またつきあう。と

 

それ以上に危ないことは

あまりにも読みとれてしまうと、自分が傷つきます。

だったら読みとれないほうが良いと思うほどです。これはどうしようもなく、耐えるしかないようです。

 

もう一つありました。

読みとったことを、その子のために使うのであって、自分の都合のために使わないことでしょうか。

新任のときに、二人担任の相棒であった先輩先生が決まって私に仕事をふりたいときにこういうのです。

『○○先生。今忙しいよね。これどうするかなあ』と。そういうと必ず私が『いいえ。やります。』というのを見越しているのです。私の性格もすべて読みとって。笑

 

長くなってしまったので、子の見とりで私が実際に体験したことは次回に書きたいと思います。

一番肝心な授業研究については、さらに後ほど書きたいと思います。

m(__)m